佐久間 菜月
2020年 新卒入社
2024年 愛玩動物看護師免許取得
インタビュー時期:2025年2月
(インタビュアー:以下イ) 愛玩動物看護師免許取得おめでとうございます。
(佐久間さん:以下佐)ありがとうございます。
(イ)佐久間さんは、当院で動物看護ケアスタッフとしてお仕事しながら、となりましたが、愛玩動物看護師資格を取得しようと思ったきっかけは何でしたか?
(佐)率直な気持ちは、高橋さんが入社するっていうのがもう決まっていて・・・今の学生さんはもう皆さん受験をされてから入ってくるっていうことを知っていたので、後輩である高橋さんが免許を持って入ってきて、私が持ってないっていうのが悔しくってというか、恥ずかしいかなってちょっと思う気持ちが、一番最初の受けようかなと思ったきっかけでした。
資格を取得したら、採血が出来るようになるとか、注射が出来るようになるっていうことは知っていたので、自分の仕事の幅も広がるかなとも思ったので、受験することを決めました。
(イ)実際、佐久間さんが学生の時は、愛玩動物看護師資格がまだ資格として体制が整ってなくて、学校では愛玩動物看護師を養成するカリキュラムも十分ではない状況で学校を卒業されました。それで当院でお仕事しながら、イチから勉強する感じでしたよね。
お仕事と試験勉強を両立しながらなさったわけですが、試験勉強を進めていく上で、何か心がけていたこと、実際にやっていたことはありますか?
(佐)仕事をしてるっていうのが、でも強みだなって思った瞬間がたくさんあって。
学生の頃には座学でしか学ばなかったということも、仕事をしていれば常に身近にあるので・・・院長の診察をちょっと聞いてみたりとか。あとは、仕事をしていて、どういう理由でこれがこうなっているとかっていうことも理解しているところがあったので、実技的な面とかでは、すごく勉強しやすいかなっていうのがありました。ただ、しっかり座学としてやってきたっていうわけではなかったので・・・法律の部分とか・・・そういう分野は本当にイチから勉強っていう感じだったので、暗記するっていうことが大変だったかなと思います。
(イ)そうですよね。お仕事していて、それが役立った部分もあれば、お仕事ではあまり触れないところもイチから勉強しなくちゃいけなくて。その大変さはちょっとにありましたよね。

(佐)はい。まずお勉強に使う参考書は先生に買っていただきましたし(笑)、あとはお昼、手術終わった後の時間とか、院長先生の貴重なお時間をいただいて一緒に教えていただいたり、一緒に考えていただいたりっていうことをたくさんしていただきました。
(佐)それがなかったら試験に受かれなかったと思っているので(笑)、本当にありがたかったなと思います。
(イ)わかりました、ありがとうございます。逆にうっとうしくなかったですか?
(佐)(大笑)いやもう、これも教えて欲しい、これも教えて欲しいっていう感じだったので(笑)・・・はい、本当にありがたかったです。
(イ)良かったです(笑)。
(イ)実際にご自宅でもお勉強をなさっていたとも思いますが、一日どのぐらい勉強なさってましたか?
(佐)そうですね、どのぐらいだろう・・・でもなるべく、少なくとも一時間はやるっていう目標は常に持っていたので、まあ一時間は必ず。で、その日に勉強する範囲を決めて、(問題集を)何問だけ今日はやろうとかっていうのを決めて、それは最低限やることにして。もっとできそうな時にはなるべく本当に寝る時間まで頑張ろうと思ってやっていました。3時間・・・直前とかでも、マックスで4時間とかですかね、はい。
(イ)寝る時間削ってとかまで勉強してしまうとかえって仕事に響いたりしますしね。そういうのを整えながら、逆に言うと、学生さんのように勉強だけしてればいい立場と違いますものね。お仕事しながらだと、めいっぱい取れる時間がそれだったという感じですよね。では時間の取れる限り、頑張ってお勉強なさったということですかね。
(佐)はい。
(イ)10月に予備試験というのがありました。実際に受けてみて、どんな感触でしたか?
(佐)予備試験は、あの、率直な感想でいうと・・・「あ、簡単だな」って思いました。
(イ)いけるかも!って(笑)?
(佐)はい・・・あの、これなら私、出来る!っていう(笑)。
(イ)予備試験のあと、ちょっと言ってたもんね、そういう風にね(笑)。
(佐)大丈夫そうだなっていう安心感を覚えてしまって、いけるかな!って。
・・・後にそれがちょっと、悪く出ましたが(苦笑)。
(イ)で、予備試験が無事合格となって、そこからさらにノって勉強できたわけですね。

(イ)そもそも、試験勉強を始めたのはいつぐらいからでしたか?
(佐)いつぐらいからだろう・・・。
(イ)高橋さんが当院に内定決まったのが6月・・・?
(高橋さん)7月末頃でした。
(イ)その頃?もうちょっと前?
(佐)予備試験を受けるのに申し込みの期間があったはずなので、もしかしたら6月よりもう少し前からだったかもしれないんですが、いつからだろう・・・春~夏前ぐらいには始めていたと思います。
(イ)着々と勉強を積んで・・・さらに(高橋さんが入社してくるという)プレッシャーもあり(笑)、そんな感じだったわけですね。
(佐)予備試験に合格した時は・・・「だよね」って。・・・だよねじゃないけど(笑)、よかった、よかった、安心だっていう感じでした。
(イ)そりゃ受かるだろうと、そりゃそうだよねと(笑)。これはいけると(笑)、本試験も頑張れるかなと。
そこでさらにモチベーションは上がりましたか?それとも、下がりましたか?
(佐)上がりました!あの、本当にこれぐらいの問題が出るなら、いけるなっていう気持ちだったので。
(イ)その後もさらに佐久間さんはお勉強続けていったわけですが、予備試験が終わってからも、当院から何らかのフォローは続けてもらえましたか?
(佐)はい。あの、本当にお掃除の時間もなるべく勉強に当てて良いようにって(他の方が)変わってくださったりとか、時間作ってくださったりとか・・・自分がやらなきゃいけなかったことを他の方々で分担していただいて、私が勉強出来る時間を皆さんが作ってくださったなと思います。
(イ)お昼休みの時間とかも勉強に当てたりして、たくさん勉強していたっていうことですね。

(イ)で、本試験を受けたわけですけど・・・ところで、(試験前夜は)眠れましたか?
(佐)・・・眠れました(一同爆笑)!
(イ)佐久間さんって、「眠れるタイプ」だもんね(笑)。隙あらば、眠るタイプ(笑)。
(佐)(笑)・・・そうですね、どこでも眠れます(笑)。よく寝ました。
(イ)じゃあぐっすり寝て、試験に臨めたわけですね。
(佐)はい。
(イ)どこの会場で試験を受けたんでしたっけ?
(佐)東京です。
(イ)(高橋さんが受験した)仙台と、違ったわけですね。
去年の今頃ですね、寒かったですか?
(佐)寒かったですね、はい。
(イ)何か覚えていることってありますか?
(佐)試験会場の最寄り駅に試験を受ける・・・同じ試験を受けるらしき人たちがたくさん見受けられて。
あ、みんな受けるんだろうなっていう・・・その光景を見た瞬間に急に緊張でドキドキして。
みんな「敵」・・・じゃないですけど(一同爆笑)・・・敵じゃないか、なんて言うんだろう。
(イ)「ライバル」!「ライバル」(笑)!
(佐)みんな一緒にこの試験を受ける人たちなんだって思ったら、なんか・・・
(イ)「敵」(笑)?
(佐)いや、そこは「ライバル」で(笑)!
なんかみんなみんな同じ試験を受けるためにここまで勉強してきたんだろうなっていう気持ちで見たら、何だか、負けたくない、負けられないっていう気持ちにすごくなりました。
(イ)試験問題の問題用紙をぱっと開けた時、どう思いました?
(佐)1問目から・・・はぁ・・・(深いため息)。
(イ)(一同爆笑)!
(高橋さん)私もそうでした・・・(笑)。
(佐)・・・「あれっ?」ていうか・・・やっぱりその予備試験の時のイメージ、気持ちがあったので。
あれ?なんか・・・なんか系統が違うぞっていう気持ちです。
(イ)予備試験と違うなって。
(佐)はい。
(イ)話が違うぞって。こんなはずじゃなかったぞって。
(佐)はい(笑)。

(イ)まぁでも頑張って試験を受けました、で、試験が終わった時ってどう思いました?
(佐)試験が終わった瞬間は・・・もう一つの意味で「終わったな」・・・って(一同爆笑)。
・・・もう体感としてはもう受からなかった、落ちてしまったなっていう気持ちでした。
(イ)そうでしたよね、試験翌日出社して第一声がね、「ダメだったかも」って話でしたもんね。
(佐)はい。
(イ)実際の合格発表まで、ちょうど一ヶ月ぐらい?・・・その間、どんな気持ちで過ごしてましたか?
(佐)なんか、ふと・・・その、仕事をしながら、ふと、その試験に出た問題となんかこう、似たような状況が出てきた時に、「ハッ!」って思って、すぐもうなんかやっぱり検索してしまって。
答えが合ってたのかどうかを、もうひたすらに気になって調べてましたね。
(イ)「もう終わったことだから、採点するな」って(院長は)言ってたんだよね・・・でも採点しないと気が済まないよね(笑)。
(佐)もう気持ちが落ち着かなくて。とにかく答えを知りたい・・・たとえそれが間違えてたとしても、その問題(の答え)が合ってたのか、合ってなかったのか、それが知りたいっていう気持ちで。ひたすら調べてしまいました(笑)。
(一同爆笑)

(イ)・・・(同席していた高橋さんに向かって)面白いでしょ(笑)?
(高橋さん)(私と)似てますね(笑)。
(イ)でもそれでもお仕事頑張って。
合格発表までの間もずっと、佐久間さんめげずにお仕事してましたもんね
・・・時々ヘコんでましたけどね(一同大笑)。
(イ)約一か月後、合格発表が出たわけですけど・・・受かりました!どう思いました?
(佐)良かった!!って思いました。
(イ)そうだよね、良かったよね。
(佐)良かったです(しみじみ)、本当に。
(イ)(合格したことを)一番最初に誰に報告しましたか?
(佐)あ、えっと・・・父と母に(笑)報告しました。
(イ)ちなみに試験終わったばかりの時には、お父さまお母さまにはなんて言ってたんですか?
(佐)「終わった」・・・って(一同爆笑)。終わった、ダメだったって言いました(笑)。
(イ)それが実際に試験に合格して。お父さまお母さまに一番最初に合格なさったことをお伝えして・・・どんな反応でしたか?
(佐)え!良かったじゃん!って。もうすごい喜んでくれました。
(イ)それは良かったですね。
(佐)はい。

(佐)そうですね・・・もし本当に試験に落ちてしまっていたとしても、先輩であることに変わりはないので、堂々としているものではあったと思いますけど(笑)、本当の意味で堂々と迎え入れられたなと思います。
(イ)実際に動物看護師の資格を取得されて・・・当院では、佐久間さんに資格がなかったとしても、これまでの実績があるから待遇面で特に変わりはないからっていう話はしていたわけですが・・・一生懸命頑張って試験に合格なさいました。
ところで、愛玩動物看護師の資格をお取りになる前と比較して、この一年間弱、何か仕事内容で変わりはありましたか?
(佐)はい。実際に注射をすること、採血をさせていただけるようになりました。
あと、皮下補液の処置とかもすることが出来るようになったのが大きく違うところかなと思います。
(イ)実際に例えば愛玩動物看護師として採血をする、皮下補液をする・・・逆に言うと、はじめ佐久間さんは技術的に「まっさら」な状態でしたけど、それをやる上で何か獣医師(院長)から、出来るようになるまでのフォローとかはありましたか?
(佐)はい。注射をする時は大体が皮下注射の場合だったので、皮膚をつまむ時の皮膚の持ち上げ方から(注射針を)刺す位置・・・大体どのぐらいの位置にっていう・・・本当にイチから教えていただいたり。あとは採血をする時も、それこそ(血管を探す際の)動物の毛のかき分け方から教えていただいて。注射針を刺す角度・・・あとは、指の添え方。本当にそういう基礎の「基」から教えていただいたと思います。
(イ)役に立ちましたか?
(佐)はい、とても本当に。さっきと同じことを言ってしまいそうなんですが・・・それがなかったら今できてはいないと思うので、本当にありがたいです。
(イ)教え方、うっとうしくなかったですか?
(佐)いえ(大笑)・・・あの、もうなんて言えばいいんだろう・・・えっと、なんていうか、先生が(採血などを)普段されてるのを見るのと、自分がいざやるのとでは、本当に感覚が違ってたので。見た通りに、自分がやってると思ってたつもりでも、何かしらがやっぱり違かったりということが、後からその指摘していただいた時にやっと気づくぐらいだったので。
あの、言葉にして教えていただけたのは本当にありがたいことだなと思います。ありがとうございます。
(イ)でも佐久間さんも、お伝えしたことは次の機会に大体出来ているようになっているので、教え甲斐があると言っては偉そうで何ですが、佐久間さんにはそういう才能があるなぁといつも思っていますよ。
(佐)ありがとうございます。

(イ)出来るところも、裁量もさらに増えて・・・佐久間さんにとって、それは良い変化となりましたか?
それとも逆に、負担が増えたり、ちょっと嫌だなと思うところがあったりしますか?
(佐)私は採血など実際にやってみて、成功することが増えてくると「できた!」っていう嬉しさがやっぱり大きかったので、すごく良い変化だったと思います。
(イ)逆に負担になった、やりたくないのにすることになっちゃったとか、出来ないのにやらされてるとか、そういうことではなく?
(佐)はい。
(イ)今の質問と重なるところですが、愛玩動物看護師となって、要求されるところもさらに多くなったと思うんです。で、より(獣医師と)対等に近い立場として僕も佐久間さんにお願いすることが多くなって、大変だなって感じることってありましたか?
(佐)うーん・・・大変だなっていうことはないんですが、先生が診察で忙しい時に今のうち採血やっておいてって言われた時に、うまくいかなかった時が、すごく・・・なんかこう、お力になれなかったというか、できなかった、悔しいなっていう気持ちがすごく・・・それは感じたことがあります。
(イ)でもそれも、ちゃんとまた次にはきちんと出来るようになっているのが佐久間さんの良さですよ。
これまで注射や採血の話は出ましたが、他のことでは何かありますか?
例えば飼い主様からご相談をいただいた時に、僕の代わりに答えてくれていることも多くなっていると思いますが、そういうことで大変だって感じることってありますか?
(佐)うーん・・・(考え込む)・・・いや、あまりないですね。これまでとかわりなく、です。
(イ)これまで約一年近く、愛玩動物看護師として活躍なさっているわけですが、これからもこの仕事で頑張っていけそうですか?
(佐)はい。
(イ)今後、どんな愛玩動物看護師になっていきたいなっていう佐久間さんの考えはありますか?
(佐)採血とか注射とかの技術面もそうですけど、知識とか、あとはお伝えする方法とか言葉とか、そういうところにももっと自信を持って飼主様に伝えていけるような愛玩動物看護師になりたいなと思います。

(佐)えーっと・・・まず学生さんで勉強してこれから取得するっていう方は、とにかくこう、物事が結びつくことが、まず座学だけでは難しいところがあるかもしれないけど、今はそういうものだと思って、一旦覚えて、と。あとは、ゆくゆく働けば、こういうことだったのかって簡単に腑に落ちることがたくさんあると思うので、今はとにかく覚えること・・・暗記でいいと思うので、頑張って覚えて・・・覚えられるように頑張ってくださいと。
実際働いていらっしゃる方で、これから資格を取るっていう方は、なかなか働きながら勉強するって、本当に大変なことだと思います。やっぱり休みたかったり、疲れたからもうこのまま寝てしまいたいとかたくさんあると思うんですけど、その先で自分がまず(資格を)取りたい、本当に取りたいという気持ちと、取った後どういうふうに働きたいっていう気持ちを再確認して、時間を見つけて勉強していけたらいいのかなと。小さい目標をコツコツ立てて勉強を頑張れたらいいのかなと思うので、頑張ってください、と思います。